一般社団法人BIM教育普及機構(理事長 佐野 吉彦 以下BIMEO)は、大学等の教育機関におけるBIM教育課程と実務における社会人教育との連携は重要なテーマであると考えています。これを受け、このたび東京工芸大学において、建築コースの学生に向けた新たな建築積算の授業を開始しました。一般的に、積算は建築生産という枠組みの中で教育が行われてきていましたが、BIMの普及に伴い建築情報処理という新たな視点でコストマネジメント教育を行う、日本初の取組みとなります。 今回の取組みは、BIMEOが全体の企画を行い、公益社団法人日本建築積算協会(BSIJ)の協力による建築積算の講義と、協栄産業株式会社による積算関連ソフトウェアの提供及びそのサポートにより、実現いたしました。 講義は、BSIJによる「建築積算の基本」に始まり、BMEOによる「BIMとコストマネジメント」の講義で建設DXにおける建築積算の重要性を理解させ、協栄産業が提供する積算ソフト「FKS」を実際に操作することで、知識を技術として定着させることを狙っています。それぞれの専門家が連携して授業を進めることで、これまでの大学教育にはない、学際的かつ実務に沿った授業構成となっています。 授業を担当する東京工芸大学の森谷靖彦氏は、「建設ワークフローのデジタル化が進むいま、従来の積算という枠組みを超え、建設DXの要としてコストマネジメントを学ぶ必要がある。このカリキュラムを体系化し、新たな建築情報教育の道筋をつけたい」と語っています。同氏は国土交通省建築BIM推進会議部会4(BIMによる積算の標準化検討部会)の座長も務め、まさに産官学が一体となった、DX時代の新しい建築教育の始まりが期待されます。